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School

宇土市立宇土小学校

2011Complete

CAt小嶋一浩赤松佳珠子

Other use | Public

敷地は熊本県の中央西部、天草方面につながる半島の根元部分に位置する。熊本アートポリスの一環として実施されたオープンプロポーザルで最優秀に選ばれた、1000人近い児童数を抱える大規模校の改築計画である。
既存の校内には東京とは植生の違う樹木が濃く茂り、インテリアの廊下がほとんどない建物の内外で大勢の子供たちが活動しているのが非常に印象的だった。
学校建築の新しい形式を提示し、それを建築の問題へと昇華させること。それがこのコンペに参加した第一の目的であり、要綱で求められた面積配分からは我々が従来携わってきたオープンスクール形式の学校としては設計が難しいと感じたこと、また既存の校舎が持つ突き抜けた明るさや地域性がその一助になったことは確かである。
提案は、大小様々な中庭と角の丸いL型の壁が、「内」と「外」、「教室」と「廊下/ワークスペース」を緩やかにアーティキュレートしながら反転し、繋いでいくというもの。
これまで我々が設計した小学校では、教室の領域はワークスペースと一体化した子供たちの多様なアクティビティを許容する内部空間であり、それとセットになった中庭はあくまでインテリア化された外部の活動空間として機能していたように思う。
また、我々が以前より言っているリバーシブルなスペースとは、例えば建具の開閉などによって冬や雨の日には内、夏や天候の良い日には外、となるような場所のことであるが、最近、リバーシブル=反転する空間がどこかで同値化するような可能性を感じている。
今回の計画では、大小様々な中庭と外周部のひだ状に織り込まれた外部空間に挟まれた、その両側に領域を持つL型壁が磁石のように子供たちのアクティビティをひきつけながら、徹底的に外に向かって開かれている。
リバーシブルな「内」と「外」が溶け合い、L型壁や軒や平面的な深度が木々の広がりや葉っぱの密度のように現れながらグラデーショナルな移り変りを持つ、全体がまるで外のような空間が立ち現れることを目指している。

DATA

所在地 熊本県宇土市
用途 小学校
構造 RC造一部S造
規模 地上2階
敷地面積
建築面積
延床面積
25,650㎡
6,160㎡
8,570m²

PHOTO

撮影 堀田貞雄

PUBLICATION

GA JAPAN

新建築


建築ジャーナル
日経アーキテクチュア

建築技術
近代建築

書籍
92/93/97/110/113
2011年5月号/2012年1月号/2012年5月号
2011年10月号/2011年11月号
2011年10月25日号/2011年11月25日号
2012年5月号
2012年8月号

建築家が教える人生を変える脅威のプレゼン(エクスナレッジ)
スマートシティ時代のサステナブル都市・建築デザイン(彰国社)
事例で読む建築計画(彰国社)
JAPANESE MODERN ARCHITECTURE 1920-2015(CROWOOD)

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