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ツダ・ジュウイカ

2003Complete

小嶋一浩

大阪の郊外の動物病院である。
南側正面の駅へと続く府道と北側背後の田んぼと鉄道線路とにはさまれた敷地である。 敷地に対しては周辺で生活する人々からも認識され親しみやすくなるように、周囲に十分なスペースを取って敷地の中央に配置している。特に北側を走る電車からの視線に注意を払って電車から建物を見たときに屋根の上面が見えないこと、建物の存在を看板などにたよらずアピールできるようにトップライトの立ち上がりの高さや幅を決めている。 背後の田んぼは春・夏には緑の広場のようになるため、北側の落ち着いた光と景色とを取り込めるように北側の開口面を大きく取っている。

動物病院はレントゲン室、オペ室、診察室といった小部屋からなる総合病院のような機能と、薬局とペット用品の販売といった機能も受け持っているため、いくつもの小部屋と多くの医薬品などのモノを収納するためのスペースが必要になる。 こうしたモノを収納スペースと小部屋とを単純な間仕切壁と収納家具で建物を構成するのではなく、モノを収容すると同時に構造もかねる6mmの鉄板を格子状に組んだ構造方式を採用した。 3mmの鉄板を間仕切りや棚、構造的に必要になる部分に貼り、それ以外の部分は視線が抜けるようになっている。この格子状のフレームは工場で輸送可能ないくつかのユニットに分割し現場で組み合わせて作っている。 屋根も同じ原理でできているため、ユニットを現場で組み合わせるだけでほぼ建物の8割が出来上がる。

平面計画は建物の機能に応じて単一機能の小部屋を「黒」、使われ方によって部屋名が変わるような部屋を「白」と単純化して、一人のドクターがコンパクトに横断できるように「黒」と「白」とがお互いにかみ合うように計画している。棚や間仕切壁の機能をもった構造体と「黒/白」とに単純化された平面とが作り出す空間は動物病院に限らずカフェや図書館、住宅にもなるような空間が作り出せた。

DATA

所在地 大阪府枚方市
用途 動物診療所
構造 S造
規模 地上1階
敷地面積
建築面積
延床面積
420.0㎡
112.9㎡
104.38㎡

PHOTO

写真 上田宏

PUBLICATION

新建築
GA JAPAN
日経アーキテクチュア
住宅建築
建築技術
JA

書籍
2003年9月号
64/81
2004年5月17日号
2004年6月号
2004年12月号
83 Autumn,2011/95 Autumn,2014

空間デザイン事典(日本建築学会)
新しい建築のみかた(エクスナレッジ)

AWARD

2007年日本建築学会作品選集掲載
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