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School

尾鷲小学校

2012Complete

CAn伊藤恭行

Other use | Kindergarten

地域の記憶を継承する
尾鷲小学校は明治9年創立の東紀州で最も古い歴史を持つ小学校のひとつである。地形的には、三方を紀伊の山々に囲まれ、東に向かってなだらかに下りながら海へと開く尾鷲市の中心に位置している。多くの住民が本校の卒業生であり、地域が持つ記憶を継承していく場所であるとともに、東紀州全体の学校教育の核ともなってきた。本計画は、築50年を過ぎた木造校舎の建て替えと既存RC校舎の耐震改修である。敷地にはグラウンドに面して既存の大きな石段があり、100年以上の歴史を持つ尾鷲小学校の象徴的な場となっている。本計画では、この石段に面して正門から既存RC校舎に繋がる回廊空間を設けることとした。旧木造校舎においてもこの部分は上下足の履き替えを行う屋外廊下であり、回廊空間はその記憶をダイレクトに継承するスペースとなっている。また、この空間に面して多目的ホール、図書室を設けることで、異なる学年の子供たちが共存する学校全体の中心となる場として計画している。休日や夜間は、回廊空間によって接続される多目的ホール、図書室、特別教室、体育館などが地域開放の場となることが想定されており、地域コミュニティの核として使われていくことが期待されている。

地域の資源を活用する:尾鷲ヒノキのログ壁
木材の新たな利用方法として、内部の間仕切り壁としてヒノキのログ材を用いている。外周部と防火上主要な間仕切り以外は、全てヒノキのログ壁である。LGSなどの下地やボード、塗装などの仕上げも全て不要であり、通常は複数の工程を要する間仕切り壁の施工を簡略化することができる。ヒノキを積んだ状態そのままがフィニッシュとなっており、自然素材としての暖かな質感がある。また、少々の乱暴な使用にも耐久性があるので、学校建築などには相応しい素材・構法であると思う。内部の間仕切りであれば、止水、防火、耐風性能などを考慮する必要がないので、一般的な構法として普及していく可能性があるのではないかと考えている。

DATA

所在地 三重県尾鷲市
用途 小学校、幼稚園、児童福祉施設
構造 S造
規模 地上2階 地下1階
敷地面積
建築面積
延床面積

PHOTO

写真 CAn

PUBLICATION

新建築 2012年12月号/動画

AWARD

第16回木材活用コンクール 林野庁賞
2013年三重県建築賞会長賞
2015年日本建築学会作品選奨
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