沖縄県うるま市の豊かな自然の中に建つ、幼稚園・小学校・中学校の一貫校。既存の植生や生態系の保存を念頭に、起伏のある敷地形状に合わせた配置計画としている。航空機による爆音対策のため窓の開閉による内外の連続性が確保できないため、回廊や深い庇、緑化スクリーンにより、沖縄特有の強い日差しを避けながら外の活動領域を確保する、「影と緑をまとう建築」を提案している。学年ごとの教室のまとまりを積層した2 学年分の各教室棟や幼稚園棟、管理棟、多目的ホール棟など、各用途毎にコンパクトにまとめた「クラスター」を「コネクター」（メディアセンター/ 回廊/ 中庭）でつなぐ構成としている。全長約35ｍの本棚壁と、谷側の眺望を強調するメディアセンターは、リビングルームのように多目的に使用される。また、もともと敷地に点在している既存バンガローを特別教室やカウンセリング室として転用し、敷地全体が教育の場となっている。