幕張インターナショナルスクールは、日本に駐在する外国人の児童や、帰国児童を対象としたインターナショナルスクールである。日本で初めて、文部科学省の教育指導要領に則した「学校」で、敷地は千葉県幕張新都心に位置する。幼稚園から中学校までの一貫教育を行う木造平屋の学校である(今回は幼稚園と小学校のみ)。
「ハウスとネイバーフッド」という発育段階ごとのまとまりを重視して、幼稚園、小学校低学年(1~3年生)、高学年(4~6年生)という独立性の高い3つの校舎と管理棟で構成している。
この学校の特徴は大きくふたつある。ひとつは運動場のあり方である。運動会のような催しがないので、小さな子どもたちが安心して遊んだり、高学年の子どもたちがのびのびスポーツできる複数のプレイコートや中庭の集合を運動場と捉えることで了承された。
もうひとつの特徴は、床座の場所を加えたゆとりのある普通教室と、メディアセンター、メディアコーナー(図書、コンピュータが置かれた多目的スペース)を近接させた空間構成である。この空間構成が、子どもたちの移動時間が少ない学習環境を確保している。
また、昇降口はあるが上下足の履き替えがないので気軽に内外の行き来ができる。縁側のような回路や、複数の外部空間をオープンスペースと読み替えたような新しいオープンプラン型の学校の提案である。敷地全体が学習・生活の場となり、子どもたちや先生方が、自由にさまざまな場所の使い方を発見・創造していけるような楽しい学校である。