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Apartment

小牧の集合住宅

2005Complete

CAn宇野享

CUT
全体=部分となるような空間構成,空間構成=構造形式となるようなスペースモデルに興味がある。敷地の高さ制限から導き出した一辺が約10mの立方体を,平面/断面的に傾斜した5枚の壁で分割(CUTと呼ぶ)する。立方体を分割するルールは,南面採光に配慮しつつ,単位空間の「長さ,広さ,高さ」のいずれかを活かすことである。さらに,それぞれの空間のプロポーションに応じた方向性を強調するように壁を傾斜させる。4層で構成される立方体の骨格は,この操作で規定される。構造はRCの壁式で,主に東西方向の水平力に対して傾斜壁がブレース効果を負担することで,南の大きな窓面を実現した。「CUT」による空間構成と構造形式が共鳴するスペースモデルの提案である。愛知県小牧市に建つ単身者用の集合住宅で,この建築は大きく2種類の断面で構成される。1,2階の吹き抜けがあるロフトタイプ4戸と,傾斜壁を軸にして風車のように回転しながら上階につながる3,4階の回転式メゾネットタイプ5戸である。また,建物中央に位置する外部階段は,内部と差異がない空間の質をもち,空に開かれた垂直性の高い空間は,共有部に光と風を導く。

DRY/ WET
快適な浴室が欲しいという施主の要望と,SOHOにも使える空間の多様性を考慮して,コンパクトな空間をあえて分割し,各住戸を2層で構成したふたつの空間の性格をDRY/ WETに大きく分類して,空間特性を明快にする。「DRY」はSOHOを視野に入れた空間で,「WET」は,外部内部に引き込んだような、浴室を中心とした開放
的な空間である.1,2階は南の壺庭と浴室の連続性が高く,キッチンのある「WET」に,「DRY」が浮かぶ断面構成で,吹き抜けと傾斜壁が,高さや長さを強調するスタジオのような空間である。3,4階は,3階「DRY」,4階が「WET」である。状況に応じた生活の切り替えが容易で,上下階のずれにより眺望が一変する断面構成である。

静寂さと凶暴性
傾斜壁に呼応したランダムな開口部のある立方体は,白く塗りこめられることで,静寂さのある佇まいを周辺環境に強調する。逆に,「CUT」が生み出す,ディメンションの多い内部空間とラフな仕上げ,DRY/ WETの空間構成は,住み手を挑発する凶暴性に満ちている.静寂さと凶暴性という2面性をもつスペースモデルが,生活の場として完結しない状況を生み出すことを期待している。

DATA

所在地 愛知県小牧市
用途 集合住宅
構造 RC造
規模 地上4階
敷地面積
建築面積
延床面積
211.22㎡
105.84㎡
379.28㎡

PHOTO

写真 上田宏

PUBLICATION

新建築 2005年6月号
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