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Houses

JETTY CABIN

2007Complete

CAt小嶋一浩

クライアントは、若い夫婦に幼い子供が二人。敷地は東京から車で西へ約1時間半の湘南地方で、海からは少し離れた、山を切り開いた宅地造成の結果取り残されてしまったような三角形のヘタ地。平面的に三角形なだけではなく、断面的にも辻褄の合わなくなったまま放り出されたような土地だった。

我々はその場所を、周囲の環境に「縫い合わせる」ような手続きを考えた。岬に張り出した突堤のような場所に、海のメタファーとしての展望台をイメージする。そして断面的なずれを土地に織り込むように、各レベルを空間的につなげるよう組み立てた。

道路につながるレベルは、既存の擁壁を延長するように窓のないコンクリートの外壁をまわし地階として、建物全体の土台とする。その上に、アウトドアを好むクライアントのライフスタイルから求められたウッドデッキと、3Mの木造キャンチレバーで飛び出したボリュームが覆いかぶさる。敷地前面は大きな団地のために造成された高さ10Mほどの斜面がひろがっているので、デッキや飛び出したボリュームからは、プライバシーを保ったまま斜面の緑を感じることができ、小さいながらも周囲の環境とつながった広がりを保っている。地下からデッキにアクセスする階段は実は外部であり、デッキと一つながりのリビングスペースとキャンチレバーのボリュームとは大きな吹き抜けで一体化されていて、地下の階段からキャンチレバーの先端まで、内と外とがトポロジカルにねじれながら螺旋状につながっているような空間構成である。

都市部とも郊外とも違うこの地域には独特の空気があって、クライアント一家もその中で海を楽しみながら自然体の生活を営んでいる。
特異な場所の特異な建築を目指すのでなく、様々な条件を敷地において縫い合わせるように、自然な手つきで周囲の環境の綻びをつなぎ合わせ、その場の可能性を広げること。
日本の住宅地における、我々なりの「耕し方」の一つである。

DATA

所在地 神奈川県藤沢市
用途 個人住宅
構造 RC+木造
規模 地上2階 地下1階
敷地面積
建築面積
延床面積
121.48㎡
43.58㎡
87.20㎡

PHOTO

写真 上田宏

PUBLICATION

GA HOUSES
住宅特集
ディテール
92
2007年9月号
2008年1月号
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